ライキンの天賦「急行」についての考察です。
まず結論を述べると、「急行」天賦は理論上、1つ取るごとに移動時間が2秒短縮されます（建物からの移動、かつ、移動に10秒以上かかる前提）。
一方、通常の移動速度上昇の天賦は、2%の上昇だとすると、120秒間の移動を2秒短縮できます。180秒の移動なら4秒です。
以前書いたトルーパーの最速天賦の記事（※）で、「急行」を3分の2におさえて「時間管理」を5分の5まで取っているのはこういう理由です。120秒以上かかる移動で「急行」よりも移動時間の短縮量が多くなりますから、ほとんどのケースで「急行」よりも恩恵を受けられると考えたためです（120秒かからないような短い距離では「急行」の方が効果的です）。
「建物から離れた時」という条件もない点も有利です。
※以前の記事
ライキン 天賦 急行の計算
移動速度：X[km/s]
距離：Y[km]
とし、その移動にかかる時間をTとします。
時間は 距離÷速さ なので
Y/X = T[s]・・・①
さらに、Yのうち「急行」で速度が上昇する分の長さを y[km] とします。
この部分の移動では速度が20%アップなので、1.2Xとなりますから、yの移動でかかる時間は、
y/1.2X = 10[s]・・・②
です。ここから、
y/X = 12[s]・・・③
が得られます。
「急行」天賦がある状態でY[km]を移動するのにかかる時間は、Yを「y」と「Y-y」の2つの部分に分けて考えると、①～③より
y/1.2X + (Y-y)/X
= 10 + T – 12
= T – 2[s]
となります。すなわち、Tよりも2秒時間が短縮されることが分かります。
急行天賦の実験
理論値を計算しましたが、本当にその通りになるのか、念のため実験を行いました。
実験方法ですが、空白の地点（A）と同盟の旗（B）を往復します。
すると、A→Bの移動は建物からの移動ではないので、急行天賦の効果は得られませんが、B→Aの移動は建物からの移動なので、効果が得られます。
先ほどの計算通りなら、A→Bの移動よりもB→Aの移動の方が2秒短くなるはずです。それを確かめます。
まずは、地点Aに急行天賦を1段階だけ持っているトルーパーをセットします。
そして、離れた場所にある同盟の旗へ行軍させます。
一応「1:44」の表示が出ているのですが、この値はなぜか実際の値より10秒ほど大きめに出るようなので、ストップウォッチで実測しました（※）。
こちらが実測した値です。「1:32」となっています。
次に、先ほどの場所にトルーパーを返します。座標は大体になってしまいますが、行きと同じように「1:44」と表示される距離にしておけば大丈夫でしょう（この値は急行の効果は考慮されないようです）。
こちらが実測した値です。「1:30」となっています。
これで、急行天賦は1段階あたり2秒短縮されることが証明されました。
※補足
行軍のときに表示される時間はなぜか長めなのですが、行軍開始後に指揮官の下に表示される時間は正確なように思います。ただし、こちらは「今の速度で行軍をし続けたら」という時間なので、例えば急行天賦の効力が切れるタイミングでは時間が伸びるなど、速度が変化するタイミングで時間が増減します。
ライキン 速度上昇の天賦
一方、「急行」以外の通常の速度上昇の天賦は、移動の最初から最後まで全体に効果が及びます。
移動速度が1%上昇したときの時間は、
Y/1.01X[s]
です。これが、2%上昇なら、
Y/1.02X[s]
となります。
こちらは具体的に計算しないと分かりにくいので、「時間管理」を取ったときを想定して、移動速度が2%、4%、6%上昇したときに短縮される時間を表にまとめました。
%：移動速度の上昇量
T：速度上昇がないときにかかる時間
T’：速度上昇があった場合の時間
T-T’：時間が何秒短縮されるか
2％の欄で黄色く塗りつぶしたのが、最初に例で出した120秒の移動の場合です。Tがこれより長い時間のときはすべて、「急行」よりも時間短縮が大きくなります。
まとめ
以上の考察により、オシリスで建物を狙ったり、遠くの仲間の集結に参加する、遠くのルーンを取りに行くなどある程度以上の距離で運用する前提だと、「急行」天賦よりも他の速度上昇の天賦を優先した方がメリットが大きいことが分かるかと思います。
なお、本記事の考察は急行天賦の効果を建物から出発するときに1度だけ受ける前提となっています。移動の経路にある同盟の旗や、同盟員の都市、採集ポイントなどを経由することで、複数回恩恵が受けられます。
移動中も目を離さずに操作を続けられるのであれば、10秒程度の移動で細目に建物に入ることで、急行の恩恵を大きく受けることができます。
